分譲住宅の年間メンテナンス費用…。どこにいくらかかるの?
マイホームを購入するとき、注文住宅よりも費用が抑えられることから、分譲住宅を選んで購入する方も多いでしょう。しかし、注文住宅でも分譲住宅でも、家は時間とともに劣化します。そこで大切なのが、メンテナンスです。この記事では、分譲住宅にかかる年間のメンテナンス費用について解説します。
メンテナンスはなぜ必要?
そもそもメンテナンスはなぜ必要なのでしょうか?それは、定期的にメンテナンスをすることで、大切な家に長く快適に暮らせるからです。一般的な木造住宅は、耐用年数30年前後といわれています。雨や風をもろに浴びている家の外側は、どうしても劣化しやすく、そのまま放置していると家のさまざまな箇所に不具合が生じてきます。しかし、定期的に適切なメンテナンスをしてあげれば、家は30年どころか、80年以上持つことも少なくないのです。したがって、一生に一度の買い物として買った大切なマイホームに長く住むために、メンテナンスは必要です。
分譲住宅に必要なメンテナンスとは
メンテナンスには、大きく分けて、家の外側のメンテナンスと内側のメンテナンスの2種類があります。
家の外側のメンテナンス
家の外側のメンテナンスは、外壁や屋根、雨どい、ベランダ、基礎などのメンテナンスです。家の外側は、紫外線、雨、風の影響をダイレクトに受け、住む人を守ってくれます。そのため、メンテナンスの中でももっとも大切といえます。具体的にどのようなメンテナンスをするかというと、防蟻処理、サイディング外壁の塗り直し・コーキング打ち直し、スレート屋根の塗り直し、バルコニー床の防水処理などが挙げられます。
家の内側のメンテナンス
家の内側のメンテナンスは、キッチン・浴室・トイレ・洗面所といった水周り設備、壁紙、床、畳、玄関・窓、給湯器、給排水などが挙げられます。毎日使っている水周りなどは不具合に気づきやすいですが、メンテナンスでは普段目に見えない配線設備もチェックすることが大切です。
年間メンテナンス費用はどれくらいかかる?
分譲住宅を購入した場合、年間にかかるメンテナンス費用はどれくらいなのでしょうか?分譲住宅は、共通の間取りや建材の使用が多いため、メンテナンス費用の予測が立てやすいのが特徴です。ここからは、メンテナンスが必要な年数と費用を解説します。
5年に1回必要なメンテナンス
5年に1回必要なメンテナンスは、防蟻処理と畳の表替えです。畳の表替えは和室がある家に限りますが、1枚あたり1万円が相場です。そして防蟻処理は、どんな住宅でも必要なメンテナンスになります。およそ10万円~が目安です。
10年に1回必要なメンテナンス
10年に1回必要とされているメンテナンスは、サイディング外壁の塗り直し・コーキング打ち直し、スレート屋根の塗り直し、バルコニー床の防水処理、壁・天井のクロスの張り替え、給湯器の交換、玄関ドアクローザーの交換です。サイディング外壁の塗り直しは50万円~、サイディング外壁のコーキング打ち直しは40万円~、スレート屋根の塗り直しは30万円~、バルコニー床の防水処理は10万円~、網戸の張り替えは10万円~、玄関ドアクローザーの交換は2万円~、壁・天井のクロスの張り替えは1平米あたり1,800円~が相場です。
15~20年に1回必要なメンテナンス
15~20年に1回必要なメンテナンスは、キッチン、浴室、洗面台、トイレなどの水周り設備、給湯器です。キッチン全体を交換する場合は100~150万円、トイレの便器の交換は15~30万円、洗面台の交換は15~30万円、ユニットバスの交換は55~90万円、ガス給湯器の交換は15~25万円が相場とされています。
メンテナンスがかからない分譲住宅の特徴とは
ここまでご紹介したように、一戸建てはメンテナンス費用がかかります。家を購入するときは、この先かかるメンテナンス費用も住宅費用として考えなければなりません。しかし、できることならメンテナンス費用がなるべくかからない家に住みたいですよね。
そこで、ここからはメンテナンス費用がかからない分譲住宅の特徴をご紹介します。
サイディング外壁のグレードが高い
多くの住宅で外壁に採用されるサイディング外壁ですが、見た目は似ていても実はグレードがあるのです。サイディング外壁のグレードが高ければ高いほど耐久性も高く、メンテナンスの周期が長いため、メンテナンス費用を抑えられます。
サイディング外壁のコーキングのグレードが高い
住宅にサイディング外壁を施工するときは、サイディング同士の間にコーキングを施し、隙間を埋めます。実はこのコーキングにも、グレードがあるのです。コーキングは紫外線の影響で劣化してしまいますが、グレードが高ければ高いほど、紫外線からの影響を受けにくく、メンテナンス周期が長くなります。
また、サイディング外壁の中でも「シーリングレスサイディング」の場合、そもそもコーキングが必要ありません。そのため、コーキングの打ち直しというメンテナンスが不要になります。
屋根材の塗料のグレードが高い
屋根材も、塗料のグレードが高ければ高いほど耐用年数が長くなり、メンテナンス周期も長くなります。メンテナンス費用がなるべくかからない分譲住宅を希望するなら、屋根材に使われている塗料のグレードも要チェックです。
分譲住宅にかかるメンテナンス費用についてお伝えしました。注文住宅よりもコストを抑えられる分譲住宅ですが、メンテナンス費用は注文住宅と同様にかかってしまいます。メンテナンス費用は決して安くはないですが、大切な家に長く住むためには大切なプロセスです。分譲住宅は、のちにかかるメンテナンス費用も予想しやすいため、毎月メンテナンス費用を積み立てておくなどして、適切な時期に適切なメンテナンスを施しましょう。